【みんなで綴る百物語】~四の灯り~

企画
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あんたさ、

何かが気になって

しょうがない

…なんて経験はあるかい?

 

寝ても覚めても

気になっちまって、

もう何にも手につかない!!

なんて経験をさ。

 

今回は

ちょっと変わった女の話を

しようと思うんだよ。

 

十分怖い思いをした

って言うのに、

好奇心に駆られて

空けなくてもいい蓋を

開けちまった……。

 

そんな、

人間らしくて

気の毒な女の話をさ。

 

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▼《四の灯り》:誰が引き寄せた?

 

 

この話は、

私が結婚を機に

横浜から名古屋へ

移り住む事になった時の…

もうずっと前の話です。

 

私と主人は、

とあるマンションの一室に

部屋を借り生活を始めました。

 

子宝にも恵まれ

元気な男の子を授かり、

私達はとても充実した毎日を

送っていました。

 

やがて、

息子が3歳になった頃に

主人の単身赴任が決まり

私と息子は同じ部屋で

2人で生活する事に

なったのですが……

 

ある日突然、

妙な事が起こりました。

 

普段はあまり

夜に起きる事のない私が、

ふと夜中の二時過ぎに

目を覚ましたんです。

 

でも、

身体は全く動きませんでした。

 

…本当にびくとも

しなかったんです。

 

嫌な予感がしました。

“金縛りだ”と

すぐに分かったからです。

 

(もう一度寝なくちゃ…!)

 

そう思い不意に視線を動かした時、

少し開いた襖の先に

廊下のフローリングが見えました。

 

『襖は閉じたはず
なのに__。』

 

それを見た瞬間の私は、

自分の心臓の音を

うるさく感じてしまう位に

ドキドキしていました。

 

そして……

どうしてもその隙間から

目が離せなくなって

しまったんです。

 

見てはいけなかった

んでしょうか。

 

しばらくすると

激しい耳鳴りが起こり、

ぼんやりとお経のようなものが

聞こえ始めました。

 

すると、

廊下から私と息子が

寝ている和室へ……

30㎝位の…ナニか

小さなモノが列をなして

入って来るのが

見えました。

 

暴れ出しそうな

心臓の鼓動に耐えながら

必死で目を凝らしてみると、

 

それは

袈裟を着たお坊さん

でした。

 

小さなお坊さんの列が、

私と息子に向かって

進んでくる__。

 

あまりに異常なその光景に

私は目を見張りました。

 

段々と近付いてくる

お経の音と“小さなモノ”の気配に

たまらず目を閉じたその時__。

 

私の耳元で確かに誰かが

こう言ったんです。

 

「見つからなければ
死んだのに。」

 

それからは、

誰も住んでいないはずの

上の部屋から足音

が聞こえて来たり、

 

水が流れるような音

がしたり…

奇妙な現象が立て続けに

起こりました。

 

怖くなった私は、

すぐに実母に泊りに来て

くれるよう

助けを求めたんですが…

 

来てくれた母は次の日、

「耳元で低い男の声がした…。
(おい!!)
って言ってたけど、
酷く怒っているみたい
だったよ__。」

そう言い残し疲弊して

帰っていきました。

 

私はその後ろ姿を見て、

改めて背筋が寒くなりました。

 

(ここにいたら
もっと良くない事が
起こるかも知れない__。)

 

そう思ってはいたものの、

その頃の私にはどうする事も

出来ません。

 

遠く離れて頑張る主人に

迷惑をかけたくなかったですし、

3歳の子供と私の二人だけで

引越しをする自信も

なかったんです。

 

ただ、

いつ起こるか分からない

不可解な現象に

身を震わせながら、

子供を抱いて耐える事しか

出来なかったんです。

 

やがて、

主人の両親との同居が決まり

私と息子はその部屋から

大手を振って出られる事に

なりました。

 

ただ耐える日々から…

怯える日々から解放される

そう分かった時には、

本当に肩の荷が下りた様な

気がしました。

 

でも__。

 

私はそのまま去る事が

出来ませんでした。

 

なぜあんな事が起こったのか、

どうしても突き止めたくなって

しまったんです。

 

そうして意を決した私は、

不動産屋さんに

足を運びました。

 

「あのマンションにも
部屋にも
何もありませんよ?

他の部屋からの問い合わせも
ありませんし。」

 

対応してくれた

気の良さそうな青年が

屈託のない笑顔で

言いました。

 

どうやらあの現象は

私の住む部屋だけで
起こっていた

ようなんです。

 

「……あっ、でも__。

あの場所には昔、
お寺さんが建っていた
みたいなんですね。」

「そっか……
だからお坊さんが来たんだ。」
(でもどうして
うちの部屋にだけ?)

 

ひとりで納得し

ひとり首をかしげる私に、

青年は告げました。

 

「お寺のお坊さん、
色々あって
原因不明の死を遂げた
って言われてるみたい
ですけどね。」

 

その時、

私はある重大な事に

気が付きました。

 

あの晩聞いた

『見つからなければ
死んだのに』

 

あの言葉は、

不遇の死を遂げたお坊さんの

《(お前に)見つからなければ
(お前を)死んだ(殺せた)のに

そういう想いが

込められているのかも

知れないと。

 

私は今、

こう思っているんです。

 

“アレ”は、

誰かに引き寄せられていた

んじゃないかって。

 

私か、息子か__。

 

どちらが引き寄せたのかは

私にも分かりません。

 

私も息子も無事ですし、

何か重大な事件や事故に

巻き込まれたという事も

ありません。

 

でも私は、

あの部屋とは

無関係になった今も、

アレは誰かが引き寄せたモノ

だったんだと信じている

んです__。

 

 

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▼結び

 

人間ってのは、

本当に面白い生き物だよねぇ。

 

危ないって分かっている事や

行っちゃならないよって

言われている場所に、

わざと行っちまうんだからさ。

 

きっと

灯りに群がる虫と同じように、

後先考えず自分を抑えられなく

なっちまうんだろうねぇ。

 

この女だってそうさ。

 

わざわざ知る必要のない事を、

自分から知りに行っちまった。

 

とっとと新しい場所で

新しい人生を歩んじまえば

よかったのに、

 

ざわざわ背負う必要のない

因果を背負っちまってさ。

 

“ヤツら”はね、

人の魂を沼にはめる様にして

捕らえるんだ。

 

そうやって、

自分でずぶずぶと

はまり込んでいく魂を見て、

楽しんでいるんだよ。

 

そして、

弱った頃に喰らう

のさ。

 

いいかい、あんた。

 

もしここを出られたとしても、

『好奇心』

に支配される事だけは

あっちゃぁならないよ。

 

その先にゃぁ、

出る事の許されない沼が

広がっているかも

知れないからね。

 

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※画像引用元
YOU_KAZさんによる写真ACからの写真

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