おやおや…
こんばんは。
あたしは、
一人でこの座敷に住まう
“しの”ってもんさ。
あんたの名前は
なんて言うんだい?
…あぁ…やっぱりいいや。
どうせあんたもすぐに
ここから去っていくんだろうから、
名前なんざ聞かない方が
マシってもんだね。
なに?
ここがどこかって?
ここはね、
ちょいと変わった場所
なんだよ。
ずぅっと丑三つ時のまんま…
時間が止まっちまっているんだ。
時々あんたみたいに
どこからか迷い込んじまう人間も
いるにゃぁいるんだけど…
みぃんな、
この宵闇を怖がっちまってさ。
あたしの話も聞いて行かずに
どこかへ消えちまうんだよ。
ねぇ、あんた。
あたしのとっておきの話を
ひとつ聞いて行かないかい?
もし黙って聞いてくれたら、
あたしがここから出る道を
教えてやろうじゃないか。
どうだい?
__じゃぁ決まりだ。
……おっと、
忘れるところだったねぇ。
話をするなら__、
ろうそくがなくっちゃぁねぇ。
▼《壱の灯り》:夢うつつから私を引きずり出した警告
あれは、
今になっても
理解する事が出来ない…
本当に不思議な体験でした。気が付くと、
私の目の前で『私』が
顔を突っ伏して
眠りに落ちていたんです。あぁ、もしかしたら…
気を失っていたのかも
知れません。なにしろその時の私は
ぼんやりとしていて、
まるで酔っ払った時のような…何が何だか分からない
ふわふわとした気持ちに
なってしまっていましたから。でも、
そんな私にもひとつだけ
妙にはっきりと
分かっている事がありました。それが何かというと、
《私は今、魂だけの存在なんだ》
という事。この時私に起きていたのは、
俗に言う“幽体離脱”
という現象でした。身体から魂が抜け出て、
自由に動く事が出来る__。その感覚は、
何とも言えない気持ちよさ…
とも言えて、反対に
得体の知れない気味悪さ…
とも言える不思議なものでした。そして、
文字通り“軽くなった”私は
強い好奇心に駆られ、『このまま
もっと遠くへ行ってみたい』そんな思いが溢れてくるのを
感じたんです。自分の中の何かに
「行こう、行こう」と
急かされている様な
気にもなりました。はやる気持ちを抑えながら
私がまさに浮足立って、
玄関に向かって進み出した
その時__。廊下の角から突然、
全く面識のない
“誰か”の顔が現れたんです。鉢合わせしたその瞬間、
“誰か”は私に向かって
大きな叫び声を
浴びせてきました。その“誰か”の表情からは、
必死にもがきながら
私に何かを
伝えようとしている__。そんな鬼気迫るモノを強く感じ、
思わず私は身体を震わせ
きつく目を閉じました__。そして、
辺りが急に静かになり
そっと目を開いた時__。私の魂は、
何事もなかったかのように
身体に戻っていたんです。ほんの一瞬
おかしな夢を見ていただけ…そんな風に片付けようか
とも思いましたが…バクバクと脈打つ激しい鼓動は、
アレが夢ではなく
現実のものだったんだと
私に繰り返し伝えてきている
そんな気がしました。そして私は必死に
考えを巡らせてみたんです。“今のは誰だったのか、
そして一体何だったのか……。”でもその答えは、
今もまだ見つかっていません。ただ、今になってみると
こんな風に思えるんです。あの時の“誰か”は、
身体から離れ過ぎた私(魂)を
助けてくれようとしていたんじゃないかって。
その証拠に…
あの時の私は
驚いてはいましたが、
不思議と『怖い』とは
感じていなかったから__。
▼結び
この話はさ、
ついさっきここへ迷い込んだ
魂…いやいや、
人間から聞いた
可笑しくて怖い本当の話
なんだよ。
それにしても…
帰って来られて
良かったよねぇ。
“誰か”さんが
助けてくれなかったら…
そう考えると、
あたしはゾッとするよ。
幽体離脱…なんてもんは、
しないに限るからねぇ。
なにしろ、
肉体と魂の繋がりがもろくなると
ヤツらはすぐに持って行こうと
するからさぁ。
__なんだい。
あんたも
“ヤツら”がなにか
気になるクチかい?
それならほら、
ろうそくを消しなさいな…。
もうひとつ、
別の話を聞かせてあげるからさ__。
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